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江戸川乱歩傑作選 の評価でしたのに……。

「あの泥棒が羨ましい」





なんという新しい文章でしょうか。

私は、先日初めてこの本を読んだのですが。

書かれた時代など感じさせず。

独創的で、斬新で。

新鮮な空気が鼻から口へ抜けていくような。

そんな清涼な感覚を覚えてしまって。



温故知新とは、よくぞ言ったもの。

ひとたび、この本を読んでしまえば。

これまで読んできたミステリものは全て。

適当な文字を連ねただけの駄作のようにすら感じられてまうのでございます。



短編というものは。

私はすらすらと読める軽いものだと認識がありました。

言うなれば、軽食。

食傷気味の際に胃を労わって食べる薄味のもの。



しかし、認識が甘かったです。

短編なればこそ。

文章の総数が少なくなるからこそ。

無駄の一切が排除され。

物語が、ドラマが、人間模様が。

あたかも、ある一点に凝縮されるかの如き濃厚さを持つようになるのでございます。



ページにつづられた一行。

たった一行の文章であるのに。

首根っこを掴まれ、引きずりこまれるような。

この不可視の引力はどうでしょうか。



その男がどのように考え、どのような背景を持ち、どのように決断したのか。

さも本人から直接語られているかのように。

目の前に“ソレ”が色めき立ちます。



たとえば小説家を目指している方などは。

この作品を決して読んではいけない、禁書とすべきだと思います。

なぜなら。

自信喪失、いえ。

自らの存在意義すらを。

この作品は奪いかねません。



私は震えました。

異質の才能に当てられてしまって。

江戸川乱歩か、すごい作家なんだろうな。

そうは思っておりましたが、完全に侮っておりました。

まさかこれほどとは。

ああ、恐ろしい。







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